秋の夜長

岩田 一鷹(作業療法学科教員)

みなさんこんにちは。作業療法学科の岩田です。残暑厳しい日が未だにありますが、徐々に涼しくもなってきましたね。季節の変わり目ですので、体調に留意して過ごしていきましょう。

さて、今回初めてのブログを書くことになりました。思えば私は2009年に当学院の作業療法学科に入学し、2012年から臨床で働いておりました。臨床では様々な方々との出会いがあり、本当に人としても作業療法士としても成長できました。詳しくはHPの教員紹介から確認してみてください。

みなさんはこの夏はどう過ごされましたか。BBQをしたり、海に行ったり、バイトに心血を注いだり、甲子園に熱狂したり…。楽しく過ごしたでしょうか。そして夏明けの時期は授業や仕事が嫌すぎて現実逃避をしていたのではないでしょうか。私も同じですw

西多摩近郊に住んでいることもあり、子どものころは父親や友達とカブトムシやクワガタムシを採取していました。“子供が生まれたら一緒にカブトムシを採りに行こう“と夢をみていました。その後、結婚し第1子が誕生しました!女の子でした!それはそれはかわいくてもう。ただ、”きっとおままごととかプリ〇ュアごっこで、生き物には寄り付かなくなるかな~“といった気持ちはありました。

時が経ち長男が生まれました!いよいよ夢に見ていた親子での昆虫採集ができると心躍りました。2024年現在、娘は4歳。息子は2歳。まだ早い。あと3年後か。と思っていました。すると「パパ!カブトムシ採りに行きたい!」なんと娘から声をかけてきました。話を聞くと通っている保育園の年長さんたちがカブトムシの飼育をしているそうです。それを見ているうちに欲しくなってしまったようです。いつの間にかアクティブ女子になった娘。トーマスに夢中でカブトムシって何?的な目線の長男。「よし行くぞ!」と奥さんも一緒に4人で夜の林に向かいました。8月の初旬でした。カブトムシのピークは過ぎているため、捕まえられるか不安でしたが…

いました!そして物怖じせずバンバン手掴みで虫かごに放り込む娘。スゴイ。

娘も大満足の様子。後日飼育ケースを購入し、セッティング。娘は意欲的にゼリー交換を行ってくれます。この夏はいい経験ができてよかったです。しかし話はまだ終わりません!

8月末、徐々にカブトムシたちも寿命を迎え1匹、また1匹と天命を全うしていきました。そろそろ飼育ケースを片付けようと土(以下マット)を見てみると、なにやらウゴウゴしています。産卵していたみたいです!その数約30頭!

娘たちは成虫の寿命とともに、カブトムシ熱も下降線。私は反対に幼虫飼育に上昇気流のごとく上がっています。YouTubeや各ブリーダーのブログを見て回り、めちゃくちゃ勉強しました。5月に急性期ケア専門士の資格をとりましたが、その時よりも勉強しました。

大きな成虫で羽化してほしいですから、マットの種類や添加剤、管理温度などなど。子どものころを思い出すくらい今では夢中です。

ありがたいことに学院長のお孫さん、中村先生の息子さんたちが数頭引き取ってくださいました。それでも写真の大きな飼育ケース3つにカブトムシの幼虫が6頭ずつ。見にくいですが、円筒型の容器には比較的大きく育った幼虫を個別管理しています。カブトムシの幼虫は主に腐葉土をエサとして成長していきます(僕は少しだけきのこ菌とフスマを添加しています)。

白いビンも複数個ありますが、これは菌糸ビンといいます。クヌギやブナの粉砕粉(オガ)にきのこの菌を植菌したものです。きのこの菌で壁面が白くなっているんです。オガを食べる虫はクワガタの幼虫が主なのですが、きのこ菌がオガをより幼虫が食べやすく、消化しやすくオガの成分を分解してくれます。そのため素人でも比較的大きな成虫を羽化させることができるチートアイテムです。ちなみにウチの菌糸ビンにはオオクワガタ(能勢YG血統)の幼虫が入っています。この子たちも来年羽化予定です。

また来年の夏になれば成虫の採集。夏が終われば幼虫飼育。私の楽しみは尽きません。

みなさんも1つでも夢中になれること(生きがい)があると思います。それが生きていく上での原動力になります。作業療法も同様です。心身のご病気で先の見えない不安を抱えて入院されている対象者に声をかけ、障害とともにこの先も生きがいとなることができるように。新たな生きがいを共に見つけていくこともあります。これほどまでに人と深く関わる仕事はないと思っています。この先どんなにAIの技術が発展しようと、人の気持ちが分かることはありません。分かったとしても心拍の上昇による感情の変化だけではないでしょうか。作業療法士という仕事はこの先も必ず重宝されると思っています。

我ながら上手くカブトムシの話から作業療法士の流れに乗せられたと思います。今月は球技大会。来月は当学院のイベント「タマハク」も開催されます。学生もひと時のリフレッシュで今後も楽しく作業療法を学んでいってほしいと思います。

では!