コラム

理学療法士を学ぶ

コラム:理学療法士を学ぶ ~専門学校と大学の違いは?~

病院やクリニックで身体機能の改善のためにリハビリテーションを行うのはほとんどの人が知っていることかもしれません。
そうしたケガや病気で心身に障害が発生、または予測される人に対し、日常的な基本動作を問題なく行えるように専門の知識と技術を用いてリハビリテーションを行うのが、理学療法士と呼ばれる職業です。
通称でPT(Physical Therapistの略)と呼ばれることもあります。
理学療法士は国家資格であり、指定の養成施設で3年以上学ぶ必要があります。卒業するだけでは受験資格しか得ることが出来ないため、しっかりと試験対策を行い国家試験に合格することで晴れて理学療法士国家資格を取得することが可能です。
試験は年に1回、2月頃に行われており、合格率は例年80%程度と出ています。
合格率だけ見れば簡単な試験だと思うかもしれませんが、これはそもそも受験の条件として3年以上理学療法を学ぶことが定められているためにすぎません。筆記と実技の知識が定着していない結果、5人に1人は落ちているのもまた事実です。
指定の養成施設には専門学校と大学があります。
概ね6割以上の理学療法士が専門学校を卒業していることからもわかる通り、人気な進路は専門学校となっています。
しかし大学にも様々なメリットがあるため、自分に合った方を選択しましょう。
以下では理学療法士を目指すにあたって重要なポイントを中心に、専門学校と大学の違いについてご紹介いたします。

理学療法学科実習風景

○カリキュラムの違い

教育機関が異なるため当然ではありますが、専門学校と大学はカリキュラムの組み方がそもそも異なります。
大学はどちらかと言えば学問・研究に比重を置いているため、必修科目に一般教養が組み込まれますし、実習も国家資格に必要な分以上は自身で授業を取る必要があります。
一方で専門学校は分野特化の学校で、知識・技術を身につけるための機関です。そのため理学療法士のような専門分野を学ぶには適しており、豊富な実習時間を設けています。
一般企業では大卒と専門卒で初任給やキャリアアップに影響が出る場合もありますが、理学療法士の場合はそういったことはなく、であれば大学よりも1年早く卒業して働き始めることのできる専門学校が有利と言えるかもしれません。
ただし大学はその1年間で理学療法士以外の経験を積むことも可能です。自身でカリキュラムを組めるのでまとまった休みを取って海外旅行や、サークル・アルバイトに励むのもいいでしょう。
学校で学べることは学問や技術に限りません。
理学療法学科
カリキュラム






○講師について

専門学校と大学では教職に就ける条件も異なります。
大学では学問に比重を置いていることもあり、教育研究上で何かしらの業績を残している人とされています。主に大学を卒業して大学院進学・博士課程を取得して研究を行ってきた人が教授となり教壇に立ちます。
一方専門学校の講師は5年以上理学療法関連の業務を経験してきた人であることが条件です。専門学校は学問より技術に比重を置いているため、長年現場で経験を積んできた人が講師を行う方が理に適っていると言えるでしょう。
こうした違いからも明らかですが、世の中の理学療法分野を学術的に発展させていきたいなら大学へ進学する方が合っていますし、現場で患者さんと接しながら直接的な活躍を目指すのであれば専門学校が適しています。
もちろん一概に言える傾向ではありませんが、学校選びの参考にはなるのではないでしょうか。
理学療法学科
教員メッセージ






○学校の雰囲気や設備

設立条件の違いも影響していますが、基本的に専門学校より大学の方が敷地も広く、関連施設も充実しています。 それはそもそも設立規定に作らなくてはいけない設備がたくさんあるからで、理学療法士に直接かかわらないグラウンドや図書館といった設備も備わっています。 一方で専門学校はそうした規定にそこまで強く縛られてはいません。そのため敷地面積は大学より狭いながら理学療法士に関わる設備は同等かそれ以上のものを揃えることが可能です。 敷地を必要としない分、駅周辺の好立地な場所に校舎を設置出来る強みがあります。 また学校の雰囲気としてアクセス面以外にも在校生の年齢層による違いがあります。 大学は高校卒業、あるいは浪人して入学する方が多いですが、専門学校は大学卒業後や社会人経験を積んでから資格取得を目指して入学する人が大学に比べると多いです。 それでも大多数は高校卒業程度の年齢にはなりますが、専門学校では大学より先に社会経験を体験できると言えます。 社会に出れば多少の年齢差はそれほど関係ないので、早めに慣れておくのも就職後上手くやっていくには重要なことかもしれません。
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